BoysLove's Blog

BL元年2019年、初心者のブログです。読後の感想を書いていますので、ネタバレです。できれば作品を読んだ後にどうぞ。

”無邪気なわんこと猫かぶり”:にやま

無邪気なわんこと猫かぶり (バンブーコミックス moment)
無邪気なわんこと猫かぶり (バンブーコミックス moment)
竹書房
2016-04-30

日高ショーコヨネダコウをあらかた読みつくしてしまったので、新規開拓が必要になりました。


アマゾンをいろいろ検索してみたところ、にやまさんの作品が気になりました。
表紙の絵柄がキレイだったことと、評価が高かったので、購入してみました。
一応、試し読みも数ページできました。
んー、どうかな、と思いましたが、まあ、読んでみようかと。


うーん。
あまり好きじゃなかった。。。
なんか、絵柄の好みっていうのが自分にとって絶対的な要素なんだと改めて気づかされました。


表紙のカラーの絵はいい感じなんですよね。オシャレだし。
でも、実際の内容の絵柄が先ず好みではなく、登場人物の性格も共感できず。。。
それだけに、その二人何しようが、セックスしてもあまり興味が持てず。。。。


BL以外のマンガであれば、多少絵が好みじゃなくても、話が面白ければ読むんですけどね。


BLって、マンガに恋愛するようなものなのかもしれません。
好きじゃないと盛り上がらないし、セックスもできない。



私、面食いってことでしょうか。



次回からは絵柄にこだわって探そうと思います。

”囀る鳥は羽ばたかない”①〜⑥:ヨネダコウ

囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)
囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)
大洋図書
2017-11-01
Kindle本
囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics  ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
大洋図書
2013-11-01
囀る鳥は羽ばたかない(3) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない(3) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
大洋図書
2015-06-01
囀る鳥は羽ばたかない(4) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない(4) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
大洋図書
2016-09-30
囀る鳥は羽ばたかない(5) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない(5) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
大洋図書
2017-11-30
囀る鳥は羽ばたかない(6) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない(6) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
大洋図書
2019-05-01

やっちゃいました。
ヨネダコウの長編&未完作品に手を出してしまいました。
せめて、完結していて欲しかった。。。
これで、首を長〜くして新刊を待つ、と言うあの苦行をしなければいけなくなりました。


人気作家になると、締め切りとかに融通が利くようになるのでしょうかね。
もう、次巻が今年中に発売されることはまずないでしょうし、これだけの大作となると、来年中も怪しいほどです。


”憂鬱な朝”でもそうでしたが、作家さんが成長し、大作を書くようになると、読む方も気軽に楽しむことはできなくなりますよね。
もはや、1冊を20分ほどで読み上げて、「ふー、楽しかった」と言うようなわけにはいきません


ストーリーも込み入っていますので、登場人物の顔と名前をしっかり覚えつつ、内容をしっかり把握しながら読み進めなければなりません。
ヤクザモノですから、組同士の争いや、各登場人物の勢力争い、それぞれの思惑なんかも理解しつつ、と。


ヤクザの中堅どころの幹部(若頭だそうです)、矢代(幼少期の義理の父親からの性的虐待によりドM、美貌)に、百目鬼(読み方:どうめき、元警察官)が惚れる話。


最初は矢代が影山(矢代の思い人、高校時代の同級生)美少年チンピラの久我をあてがうところから始まります。


影山と久我の恋路に結構なページ数を割いているので、この後も影山と久我が主要な登場人物として話が進むかと思いきや、違うんですよね。


2巻以降は矢代と百目鬼の話。
影山は医者なので治療のたびに登場しますが、久我は存在感が薄いです。
久我の人物としての魅力を考えると、もっとでてきても良いと思うのですが、後々大きな役割を担うんでしょうかね。


矢代はあれです、”NightS”の間崎の進化版ですね。
間崎をさらに淫乱(と言うか、変態)にして、屈折させたような。
間崎は職業は麻薬取締捜査官でマトモでしたが、矢代はヤクザですから。


まずあり得ないと思いますが、仮に実写化するとしたら、矢代を演じられる俳優ってちょっと居なさそうです。
(アニメ映画化されるそうですが、どこで公開されるんでしょうか。普通の映画館では先ず放映できなそうですが。)


矢代は淫乱で変態ですが、下品ではなく、むしろある種の気品すらあります。
軽さを装っていますが、実は頭も相当良いわけで、こういった人物の魅力を書き出すヨネダコウさんの力量は、さすがと言うしかありません。
矢代を生み出してくれて、ありがとう!
作中でも結局のところみんなが矢代に惚れてるんですよね。


そして、百目鬼はこれがまた、BLの相手方として究極のキャラクターかもしれません。
まず、カラダがいい。

この裸はヤバいでしょう。
190センチ以上あるそうです。


こんなの見せられたら、そりゃー、やりたくなりますよ。
しかも、ブリーフ履きも見せつつ。

このブリーフがまた。
百目鬼、気が利かない朴訥な性格のはずなのに、、何気にかなり大胆に誘ってます。


「俺の凄いカラダ、先ずみろ!」
ってなもんです。


(異性愛同士の)女性が男性の目の前で素っ裸になるようなもんですからね。
矢代はここで完全に欲情したと見ます。
(まー、それまでもずっと百目鬼とやりたかったんですけどね)


Tシャツを脱ぐ百目鬼も、ヤバし。


そして、このあとの5巻のセックスシーンは圧巻です。
深く深く傷ついてしまった矢代の心をこじ開けるのは、こういったセックスだ、というのが実丁寧に描き出されています。


これまでは、どんな乱れた姿を見られてもぜーんぜん恥ずかしくなかった矢代が、ここで初めて恥じらい戸惑いを見せます。


そして、百目鬼のあまりにも真っ当で愛のあるセックスによって、矢代の心の扉が開かれてしまうのですが、ここの描写も見事です。


「ああ」
「どうして今」


気付いちゃったんでしょうね。
本当は凄く痛かったってことに。
痛みを痛みとして受け入れず快楽にすることで、脇へ逸らして自分を保ってきたわけですから。


5巻の大部分がこの二人の初めてのセックスに割かれていますが、この物語の大きな山場であり、BLヨネダコウファンとしては、待ちに待ったシーンをこんなにタップリと描かれて、至福と言ったところでしょうか。


でも、この長ーいセックスシーンは、もはやエロではないような気がします。


むしろ、愛のあるセックス(言葉にすると陳腐ですが)とは一体どういうことなのかを表現したとでも言えばいいのでしょうか。
「キモチよさそう♡」と言った類のセックスでは決してないですね。


6巻では矢代は百目鬼を拒否します。


「こいつを受け入れたら」
「俺は俺という人間を手放さなきゃならない」


それですよね。
自分が成り立たなくなっちゃうんですよね。
矢代、頭がいいので自分のことはわかっているんですよね。
悲しい。


さて、6巻まで読んでしまいました。


これから「待ち」という長ーい苦行が始まります。

”花は咲くか”①〜⑤:日高ショーコ


花は咲くか (1) (バーズコミックス ルチルコレクション)
花は咲くか (1) (バーズコミックス ルチルコレクション)
幻冬舎コミックス
2013-08-01
Kindle本
花は咲くか (2) (バーズコミックス ルチルコレクション)
花は咲くか (2) (バーズコミックス ルチルコレクション)
幻冬舎コミックス
2013-08-01
Kindle本
花は咲くか (3) (バーズコミックス ルチルコレクション)
花は咲くか (3) (バーズコミックス ルチルコレクション)
幻冬舎コミックス
2013-08-01
Kindle本
花は咲くか (4) (バーズコミックス ルチルコレクション)
花は咲くか (4) (バーズコミックス ルチルコレクション)
幻冬舎コミックス
2014-07-31
Kindle本
花は咲くか (5) 特装版 (バーズコミックス ルチルコレクション)
花は咲くか (5) 特装版 (バーズコミックス ルチルコレクション)
幻冬舎コミックス
2015-04-03
Kindle本

 日高ショーコ作品長編第二弾。


年の差モノということで、あまり食指が動かなかったのですが、ここまで日高ショーコ作品を読んでいましたので、今更読まないわけには行きません。


で、ポチッと。


どんなもんかと思いながら読み始めましたが、さすが日高ショーコさん、読ませてくれます。


”憂鬱な朝”に比べると、軽めのストーリーです。
内容が薄いっていうわけではなく、普通の恋愛ものなので、登場人物や状況をいちいちしっかり理解する努力をすることなく、ある意味気持ちよーく読み進めることができます。


桜井(38歳、社会人)と蓉一(19歳、美大生)の恋の話。
桜井はこれまでに男と付き合った経験なし。
蓉一は恋愛経験自体が全くなし。


19歳の年の差、男同士、ノンケ(桜井の方)、というハードルを全て越えての恋愛モノです。


まず19歳の年の差って、スゴいですよね。


作中に何度か桜井自身がこの年齢差を自問しますが、せめて相手が社会人じゃないと、本当に何を話すやらってなりますわね。


さらに、BLではおなじみの、片方はノンケで、そこを乗り越えるというハードルもありますが、そこは蓉一の美貌が越えてさせてしまいます。


BLでは繰り返し出てくる、「本来はストレート(ノンケ)だけど、コイツがあまりにもカワイイから好きになっちゃったよ」っていう宗旨替えですが、現実の世界ではほぼあり得ないことのようです。


BLを読み始めて、この設定があまりにも多いので、ゲイの友人に聞いてみましたが、「それは、ないでしょ」
とアッサリ返されました。
相手がゲイであるかは、ほぼ100%の確率で一目でわかるそうです。
で、ゲイ以外は最初の時点でそう言った対象からは外すと。


BLではその辺があまりにも違和感なくほぼ毎回登場するので、刷り込まれすぎないように注意が必要かもしれません。
まあ、マンガですから、楽しめれば良いんですけどね。
そこをあまり疑問視すると、BL自体が成り立たなくなってしまいますし。


恋はいつの間にか始まっていて、それに気づいて自分でも愕然とするという瞬間がありますが、桜井が蓉一に惹かれていることに気づいた瞬間のシーンが好きです。


「気づいちゃったよ。」って自分でも驚くんですよね。
そして、急に相手がそれまでよりも一層可愛く(あるいはカッコよく)見えてしまうという。
「痘痕(アバタ)も靨(エクボ)」っていう状態に切り替わっちゃうんですよね。


あの、「好き好きフィルター」みたいなのって、どういう仕組みなんでしょうか。
脳で何かの物質が分泌されるんでしょうかね。
出会った時は何とも思ってなかったり、むしろ「コイツとはないでしょ。」なんて思っていても、「好き好きフィルター」がかかると、もう世界一カワイイ(カッコイイ)ように見えちゃうっていう。


一方の蓉一ですが、非常に美しいです。
日高作品一番の美しさかもしれません。


”憂鬱な朝”の桂木にちょっと似てます。
日高さん、この手の黒髪で顎の尖った美少年を描くのが上手です。


蓉一の方はおそらく元来ゲイなのでしょう。
最初から桜井が好きだったようです。


ただ、幼い頃に両親を奇妙な状態で失くしていることから、ちょっと性格的に変わったところがあります。
自分の感情を殆ど顔に出しませんし、周りとのコミュニケーションも殆どありません。
所謂コミュ障です。


蓉一、顔が美しかったから良かったものの、この性格で容姿が美しくなかったら、かなり頂けない人物です。
美貌はその辺りの性格的な問題を相殺してしまうんですねー。


自分からに閉じこもってしまい、感情もうまく表現できない蓉一には、桜井のように大人で落ち着いた相手が必要なのかもしれません。


桜井はやや枯れたような印象がいあり、普段は落ち着いた印象ですが、一旦相手の合意が得られれば積極的です。
蓉一が好意を見せると、ガッツリとキスして押し倒したり。
お互いの気持ちを確かめてからは、きちんと色々(ローションとかコンドームとかでしょうか)購入して準備してますし。
セックスも段階を踏んで着実に進めていきます。
オトナです。


恋愛は実は年をとってからの方が良いことが多い、と私自身は思います。
色々経験があるから、何かとスムーズに進むんですよね。
「え、コレってどうなの?どうすればいいの?」っていうのがあまりないから、戸惑わずに楽しめるというか。
自分の気持ちも、若い頃よりもうまく説明できたりしますし。


しかし、この作品も本当に長期連載だったんですね。
2006年8月に開始して、最後が2015年1月。
9年越し?
日高さん、そして雑誌の連載を読んでいたファンの皆様、お疲れ様でした。


この作品の脇役も好きです。
特に、吉富さん菖太


菖太、竹生、藤本の下宿人トリオ。いい感じです。
菖太は何気に桜井と蓉一のキューピット的な役割を果たしていますし、頭が良くてこまっしゃくれているけど、やっぱりまだコドモっていうところも可愛いです。


吉富さんは、何気にこの作品での隠れたいい男ですよね。
最後に園子さんと付き合うことになり、遅い春が来たという感じですが、付き合ったり結婚したりするなら、実は吉富さんのようなタイプが一番良いかもしれません。
顔は怖いし、男前ではないですが、人情家で料理上手。


日高ショーコさん、やっぱりいいですね。


いつものように、何度も何度も繰り返し読んでしまいました。

”憂鬱な朝”⑧:日高ショーコ

憂鬱な朝8 (キャラコミックス)
憂鬱な朝8 (キャラコミックス)
徳間書店
2018-10-25

遂に最終巻です。


8巻を読み進める前に、もう一度1〜7巻をおさらいしました。
最後をきちんと味わい尽くしたいですからね。


1日かけて改めて1〜7巻を読み返し、一呼吸置いて頭を整理し、お茶を淹れ、トイレを済ませてから8巻を読み始めました。


未読の名作マンガを読む時って、本当に至福です。


特に、こういった素晴らしい作品の最終巻を読むときは、それこそドアに鍵をかけ、携帯電話もサイレントにして、誰にも邪魔されたくないですね。


4巻の暁人のボロ屋(って言うほどボロではないのですが、華族様からするとボロってことで)でのセックス以降、桂木の態度は柔らかくなり、一層美しさを増しましたね。


冷たく拒絶する態度が魅力的で、愛を受け入れてしまったらある意味腑抜けてしまうのではと心配しましたが、そこは杞憂でした。


日高ショーコさん、桂木を美しく保ってくださって有難う。


ところどころに見せるツンデレ桂木の本音がいじらしいです。


2年は長すぎる。ほんとですよ。
ラブラブイチャイチャしていたい盛りの付き合い始めですもの。


でもって、暁人が2年間のイギリス留学の出発の朝、見送りにいかずにベットに残るこの桂木の表情とか。

枕を抱いてチラ見って!
日高さん、本当に桂木というキャラを楽しんで描かれていますよね。きっと。


大作でしたが、撒かれた伏線は見事に回収されて、お見事でした。


何よりハッピーエンドで良かったです。


7巻から8巻の発売まで、かなり時間が空いたようですが、ファンはもう、ヤキモキしたでしょうね。


「愛し合っているけど、一緒にはなれない。。。」
ていう悲哀な終わり方もあり得たでしょうし。


もー、お腹イッパイです。


間違いなく、BL史上のみならずマンガ史上に残る名作でしょう。

”憂鬱な朝”②〜⑦:日高ショーコ


憂鬱な朝(2) (キャラコミックス)
憂鬱な朝(2) (キャラコミックス)
徳間書店
憂鬱な朝(3) (Charaコミックス)
憂鬱な朝(3) (Charaコミックス)
徳間書店
2014-01-24
Kindle本
憂鬱な朝(4) (Charaコミックス)
憂鬱な朝(4) (Charaコミックス)
徳間書店
2015-04-03
Kindle本
憂鬱な朝(5) (Charaコミックス)
憂鬱な朝(5) (Charaコミックス)
徳間書店
2015-09-25
Kindle本
憂鬱な朝(6) (Charaコミックス)
憂鬱な朝(6) (Charaコミックス)
徳間書店
2015-12-04
Kindle本
憂鬱な朝(7) (Charaコミックス)
憂鬱な朝(7) (Charaコミックス)
徳間書店
2016-11-25

”憂鬱な朝”の2巻から7巻まで。


表紙絵のトーンが段々と明るくなっていきます。
この辺に、二人の関係性の変化が表現されているそうです。


非常にストーリーの細部まで練られており、本当に読む方も体力がいります。
適当に読んでいると、話の筋がわからなくなってしまうので、何度か読み返してみたり。


もはや、BLの大河ドラマといっていいでしょう。


生まれつき恵まれた環境で、愛されて素直に育った暁人が太陽のような存在だとすると、桂木は冷たく光る月のようで、陰と陽の見事な対比です。


それにしても、桂木、最初の頃よりも何故だか若返ってます。
まあ、まだ29歳なので、二人の出会いの当初が老けすぎていたのかもしれません。


ところで、話の中で一つ気になったのですが、桂木は暁人の祖父の息子ってことですよね?
つまり自分の父親の腹違いの弟とかですよね。
それって叔父?当たるのでは???
なんか血縁としては割と近いような気がするのですが、いいんでしょうか。


BLらしく随所にセックスもありますが、家を出てボロ屋で自活する暁人を訪ねた桂木が、自らの意思でセックスするシーンが好きです。


これまでは暁人にイヤイヤ手篭めにされている家臣といった態度でしたが、ここから心を開いて愛し合うようになります。


桂木って、普段がピシッと隙がないからか、セックスで乱れた時がミョーに色っぽいんですよね。
桂木の乱れた前髪から覗き込む目つきとかがたまらないです。

サラサラの黒髪と、そこからチラ見する目が〜。
あと、フンドシも。(明治時代ですから❤︎)


1巻から7巻まで一気に読みましたが、内容が濃すぎてちょっと頭が痛くなってきました。


最終巻に入る前におさらいします。