なぜBLなのか?<その2>:80年代ロックバンドへの「萌え」
また、80年代に入ってからは、イギリスやアメリカ発のロックバンドが女性的な化粧をするのが流行っていた時期で、男に対して「キレイ!」「美人!」といった褒め方をする現象がありました。
そして、そう言ったファンのメンタリティーは、今で言うところの「腐女子」に繋がるものがあったと見ます。
当のバンドメンバーとは全く関係ないところで、バンドのメンバー同士をBL的なパロディーでイジった、しまあつこの”8ビートギャグ”などが「腐女子的」なファンの側面を満たしていたと思います。
8ビートギャグ
「世界一美しい男」と言われたデビット・シルビアン。バンドの名前が「ジャパン」で、奥さんは日本人。
Duran Duranのニック・ローズ。美しいです。男臭さを感じさせません。
こう言った、化粧映えのする美しい男性への「萌え」というのは、日本人女性に非常に強いファン心理なのではないでしょうか。
80年代のイギリスのロックバンド、JapanやDuran Duranなどの多くのイギリスのバンドは、日本から人気が出て行きました。
そのため、当時はまずは日本でのプロモーションに力を入れて、日本での人気で勢いをつけて世界で売り込むという手法が、数多くのバンドで取られたほどです。
本国ヨーロッパや北米でのこういったロックバンドの位置付けは、ティーネージャー向けのアイドルだったと思います(例えば、日本におけるジャニーズ的な位置付け)。
一方の日本においては、女性のように美しい男性への「萌え」的な要素が強く、屈折(あるいは倒錯)した方法でのアイドライズ(Idolise)でした。
一見同じようにキャーキャー騒いでるように見えても、その興奮の心理の仕組みは実は異なっていたのです。
本国では、若いティーネージャーのファンたちは、ロックスターとの恋(やセックス)を夢見たかもしれませんが、日本のファンたちはまるで宝塚歌劇を鑑賞するかのように、ロックバンドのメンバー同士の絡みに興奮(というより高揚)していたように思います。
>その3へ続く
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