BoysLove's Blog

BL元年2019年、初心者のブログです。読後の感想を書いていますので、ネタバレです。できれば作品を読んだ後にどうぞ。

”及ばぬ恋は馬鹿がする”:鮎川ハル

及ばぬ恋は馬鹿がする (MARBLE COMICS)
及ばぬ恋は馬鹿がする (MARBLE COMICS)
東京漫画社
2018-02-15
Kindle本

鮎川ハル作品第四弾。


高校時代の同級生、潤(音楽好き。レコード店勤務のために上京)と洋平(リア充グループ系)の話。
高校時代、特に接点がなかった二人だけど音楽を通じて仲良くなる。
さらに潤の提案でお互いに「触って」マスターベーションし合う関係に発展するものの、それ以上の進展がないまま離れ離れに。
久々に東京(だと思う)で再開し、関係が再燃するという話。


うーん。。。
リア充でノンケの洋平が潤に落ちるっていうのは、ちょっとあり得ない気が。
というか、この二人があまり似合っていない。
リア充でノンケの洋平が、潤に落ちるっていうのはあり得ない気が。。。
しかも、何気に押しまくる潤にちょっと引きます。


洋平も高校時代に自分にどんどん心酔してのめり込んでくる潤に引いてしまっていますが、そのドン引きする感じには妙に共感できます。
一度そういうふうにドン引きしてしまった相手に、また言い寄られたら、相当嫌だと思うんですが。。。


でも、話の最後では実は洋平も潤が好きだった、っていう話のようなので、まあ、ありなのかな。


どういうわけか、潤って、イラっと来てしまうんですよね。
洋平はいい感じなんですが。

”あいもかわらず”:鮎川ハル

あいもかわらず (MARBLE COMICS)
あいもかわらず (MARBLE COMICS)
東京漫画社
2015-02-13
Kindle本

鮎川ハル作品の第三弾。


”それに名前をつけるなら”のスピンオフ。
(というより、”それに〜”の方がスピンオフ?)


いつの間にか疎遠になっていた「幼なじみの近所のお兄ちゃん」誠一郎と、高校生の健(タケル)の話。


うーん。
モテる大学生の誠一郎が、フツーの高校生の健にそこまで惚れ込んでいるっていう設定が腑に落ちないです。


”赤松とクロ”の主人公二人のキャラのような、際立った魅力が足りないというか。


絵柄や雰囲気は良いので、それなりに読んでいて楽しいのですが、これまで読んだ作品との比較では物足りなく感じてしまいました。

”赤松とクロ”:鮎川ハル

赤松とクロ (MARBLE COMICS)
赤松とクロ (MARBLE COMICS)
東京漫画社
2015-09-18
Kindle本

鮎川ハル作品第二弾。


クロは名前の通り、黒い服装のオシャレっぽいゲイ。
大学の友人である赤松が、ノンケだけどクロに惚れ込んで宗旨替えする話。


クロがツンデレで、赤松は純朴だけど男らしいタイプ。
ツンデレのクロをうまーく受け止めます。
赤松の方言(山口の方の言葉?)が、赤松の純朴でおっとりしたキャラをうまく引き出してます。


”それに名前をつけるなら”とやや似た設定ですが、こちらツンデレとそれを優しくオトコらしくカバーする相手役の対比がさらにうまく表現されています。


この作品がこの作家さんの代表作なのでは?と思えるほど、良い出来です。


BLなのでクロは男ですが、実際には心情はツンデレで男前なオンナですね。
そして、赤松はそういう意地っ張りで素直になれないオンナにとっての理想の男。


本当はすごく包容力があるのに、いつも下手にでてくれる。
人当たりは良い方なのに、一途
セックスも情熱的


女性の読み物ですからね。
いわば自分勝手であり得ないオンナの願望が表現されてるんですよね。


激しい恋ではないけれど、後読感が良くて、何度も読み返してしまう。
良いです。

2019年、ベストBL5(超個人的見解)

2019年は私にとってBL元年となりました。


これまで、たくさんの漫画を長年にわたって読んできましたが、「食わず嫌い」というより、正直に言えば「ハマるのが怖い」ために避けてきた禁断のジャンルに、ついに手を出してしまいました。


案の定、大ハマりです。


これまでも漫画は結構な数を随時読んできましたが、BLを読むようになってからはペースが加速してしまいました。
良い作家さんを見つけてしまうと、全ての作品を読み尽くすまで歯止めが効かないのがBL。
中毒性が極めて高いです。
あまりに若いうちにハマらなくて良かった。。。


さて、ここ4ヶ月ほどの短い期間ですが、2019年の私自身の超個人的なランキングを記しておきたいと思います。
今年のまとめとでもいうのでしょうか。


1、”Nights”:ヨネダコウ

NightS (ビーボーイコミックスデラックス)
NightS (ビーボーイコミックスデラックス)
リブレ
2014-08-19
Kindle本


2、”After”:日高ショーコ

After【電子限定版】 (花音コミックス)
After【電子限定版】 (花音コミックス)
芳文社
2016-06-22
Kindle本


3、”Dogs”:里つばめ

GAPS hanker 【電子限定おまけマンガ4P付】 (HertZ&CRAFT)
GAPS hanker 【電子限定おまけマンガ4P付】 (HertZ&CRAFT)
大洋図書
2019-07-01
Kindle本


4、”リカー&シガレット”:座裏屋蘭丸

リカー&シガレット (バーズコミックス リンクスコレクション)
リカー&シガレット (バーズコミックス リンクスコレクション)
幻冬舎コミックス
2018-05-24
Kindle本


5、囀る鳥は羽ばたかない”:ヨネダコウ

囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)
囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)
大洋図書
2017-11-01
Kindle本



正直、ヨネダコウさんの作品は全て素晴らしいです。
”囀る~”はBLの名作中の名作だと断言できますが、気軽に楽しめないので、「萌え」度がやや低いというのでしょうか。
頑張って読まないと話がわからないので、何度も読み返したりできないんですよね。
でも、好きです。大好きです。


”Nights”は、ちょうど良い長さ、でも軽くない。
登場人物はほぼ、主人公の二人のみ。
会話のセリフが本当にうまい。
男っぽくて、カッコ良くて、エロくて、ちょっと面白かったり、カワイかったり。。。
BLヤクザもののお手本と言えるほどの完成度かと。



日高ショーコさんも同じく大家と言えるのではないでしょうか。
”憂鬱な朝”は間違いなく名作なのですが、ストーリーが込み入っているので、頑張って読まないといけない。
長いですし。
純粋に、読んでいて楽しいのは一冊で読み切れる程度の長さの作品。

日高ショーコさんの線がキレイで、絵柄がとても好きです。
少女漫画の王道っていうんでしょうか。
”憂鬱な~”の桂木は本当に美しかったです。



里つばめさんの”GAPS”も物凄く好きなのですが、主人公のキャラクターでは”DOGS”が好き。
両者とも男らしい、っていうのがいいんです。
里つばめさん、ここ最近で一番グッときました。


座裏屋蘭丸は、「さん」ではなく「」を付けたくなるような、何か非常に高級感がある感じ。
コヨーテとかもいいんですが、”リカー~”はもう、本当にオイシかったです。
絵が物凄く綺麗。
額に入れて、部屋に飾ろうかと思ってます。
いやー、カミロはヤバかった。



こうしてみると、結構男っぽいキャラクターが好きです。
マッチョとは違うんですが。
で、結構賢そうな感じ。


BLって、まずは作家の強烈なファンになっちゃうんですね。
マンガってそういうものですが、その感覚がもっと強い。
で、作品への陶酔度もすごく強い。


好きなBL作品は、立て続けに3回以上読んで、やっと興奮がちょっとおさまる感じ。
なんか、読み終わったときに、「はあ〜」って幸せなため息が出るのは、BLならでは。


2020年も、良作BLに出会えますように。

”それに名前をつけるなら”:鮎川ハル

それに名前をつけるなら (MARBLE COMICS)
それに名前をつけるなら (MARBLE COMICS)
東京漫画社
2016-10-14
Kindle本

わたなべあじあさんの作品はかなりエロ度が高く、もうちょっと穏やかさがほしいところ。


エロ度が高いのは良いのですが、普段はフツーの顔して生活してるのに、ヤる時は結構情熱的、っていう設定が好みのようで、いかにもエロい感じの登場人物がエロいことをしても、ギャップがなさすぎというか。
うーん、ギャップが萌えるってことなんでしょうか。


で、絵柄がのほほんとしていそうな作品で高評価鮎川ハルさんの作品を選んでみました。


ハンサムなモテキャラの手練れ大学生(ゲイ)、通称「師匠」に、モテない高校生(ノンケ、童貞)佐野が童貞喪失の手ほどきを受ける、、、という話。


師匠が男の恋人にふられて号泣しているところに出くわし、戸惑いながらも人目につかないように庇う佐野。
まだ若くて不器用だけど、男としての度量はなかなかありそうです。
その辺りが師匠の心を捉えたんでしょうかね。


「俺で童貞切ってみない?」
との師匠の提案に、戸惑いつつもノります。
師匠、キレイだし「師匠」と呼ぶほど尊敬しちゃってますし。
高校生もてない男子にとって、「童貞喪失」は悲願でもあるでしょう。


佐野に目隠しをしてことに及んだものの、佐野、目隠しを外した上、猛烈に下から攻め!


1回目が思いの外良かったので、そのままセフレに突入。
マンガらしく、紆余曲折をへて、めでたく普通に付き合うようになるわけですが、BLって、あり得ない展開をいかに無理なく話を進めるかが勝負どころなので、セリフのやりとりの上手さがとても重要。
良いBLは名セリフが満載であることが多く、セックス云々よりもセリフに萌えるっていうことの方が多い気がします。


プライドの高い師匠が大泣きしてまで佐野に詰め寄った後、二人がめでたく気持ちを確認しあった時の
「やりたいだけでここまでするか」(師匠)
「…泣くほど 俺のことが 好きだった んででで」(調子に乗りました すんません)


師匠のツンデレに対して、佐野のボケながらも優しく応える雰囲気がなんとも微笑ましい。
良いカップルやなー、とほんわか。


この作家さんはちょっと他もチェックしたいです。