なぜBLなのか?<その3>:なぜ男同士の恋愛に萌えるのか。
しかしながら、この、男性同士の恋愛に萌えるっていうのは一体何なのでしょうか。
主人公の片方または両方がノンケだったりすることが多いので、「ホモ(純正)が見たい」というわけではないんですよね。
男が大好きだから、登場人物に女などいらん!という、カワイイ女主人公への嫉妬心でしょうか。
BLでは女性の登場人物が極端に少なく、いたとしても存在感はとても薄い。
顔と名前が覚えられるかどうか定かではないほど、ぼんやりとした描き方をされていることが多い。
まさに脇役です。
主人公が二人とも男ですから、両方に対して「萌える」ことができ、いわば二度美味しいとも言えます。
あるいは、日本人女性の性への抑圧の歪んだ形での表現なのでしょうか。
実際、女性向けのポルノやAVが作られるようになったのはごく最近ですし、今でも女性がおおっぴらにそういったものを楽しめるような雰囲気ではありません。
男であれば、「AVで一発抜いたよ」とサラッと言ってしまえるところですが、果たして女性が同じことを言った時、その受け止められ方は同じではないと思います。
自分自身の性欲をそのまま受け入れることへの強い抵抗感が、ホモではない男同士のセックスに「萌える」という心理につながっているのでしょうか。
また、BLの特徴は何と言っても詳細なセックスシーンですが、女性自身が当事者ではないからこそ直視し、堪能することができるのかもしれません。
いわゆるポルノマンガでは、男女どちらに向けたものであっても、セックスの描かれ方というのはひたすらエロを満たす目的で描かれており、「美しさ」という視点から描かれているものをあまり見たことがありません。
なぜ、BLマンガのような美しい描かれ方をした異性愛のポルノがないのでしょうか。
裏を返せば、女と男のセックスは耽美ではない、美しくはなり得ないということなのかもしれません。
また、男女間でのセックスは、男性主導で進められるため、どうしても女性が受け身な役割のプレイが多いということも、何か素直に楽しめない原因かもしれません。
”リカー&シガレット”より。詳細な描写ですが、美しく描かれています。
私自身は、性欲やセックスは食欲と同じように当たり前のこととして肯定されることが健全であると考えていますので、異性愛のセックスもBLマンガと同じレベルで美しく描かれて欲しいと思います。
そして、肯定的にセックスが描かれるBLというマンガ文化が大好きです。
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