”それでも、やさしい恋をする”:ヨネダコウ
- それでも、やさしい恋をする (H&C Comics/CRAFTシリーズ)
- 大洋図書
- 2014-04-01
- 本
”どうしても触れたくない”に登場する小野田のスピンオフ。
「魔性のノンケキラー」の嶋くんに惹かれてしまったことで、男に開眼。
本来はノンケだけど、やさしい性格が災いして、モテるのに女運悪し。
いますよねー、こういう男の人。
ソフトで人当たりがよく、敵がいない。
圧を感じさせないというか。
で、付き合ってる女の子はキツくてワガママで、相手を振り回すタイプ。
”どうしても触れたくない”は、かなりディープに嶋くんのトラウマに向き合った重たい内容でしたが、こちらは割とサラっとしたお話です。
でも、薄くないんです。
ヨネダコウさん、上手いよなー。
相変わらず、随所に散りばめられた手書きのつぶやきも面白いし。
ノンケの小野田が強く出口(ゲイ)に惹かれていることをハッキリと自覚したのは、出口が他の男とカジュアルにセックスしていることを知ったことから。
つまり、嫉妬です。
この、「嫉妬で自分の気持ちを自覚する」というのも、BLでノンケがゲイに移行するきっかけになるパターンが多いですね。
まあ、確かに通常の恋愛でも、「あれ、ワタシ嫉妬してるわ」→「っていうか、ワタシ、この人のこと好きになっちゃったんだ」っていう気づきはありますね。
そして、小野田からも気持ちを伝え、晴れて恋愛関係のスタートとなりますが、当然小野田はこの先どう進めるのかをかなり戸惑います。
付き合い始めてから2ヶ月もプラトニック。
本来、性的に奔放な出口からすれば、かなり我慢強く待ってます。
私は告白しあったら、即ヤルと思ってました。
で、ついに小野田の方からお願いです。
心の準備完了。
ここから実際にセックスするまでのシーンが大好きです。
カワイくて、面白くて、そしてエロい。
覚悟を決めた小野田。完全に自分はウケと決めてかかっており、かつマグロ状態。処女です。
小野田の「かかってきてください!」状態に唖然とする出口。「びっくりしたー」がカワイイ。
まあ、そうですよね、そうなりますよね。
この辺、妙にリアルです。
だって、わかんないんだから、
「ひとまずどうにでもしてみてください!俺、頑張ってついてきますから。」
ってなりますわね。
「大丈夫 資料は読みました。」
って、仕事みたいになってます。
出口、勘違いを諭しつつも、
とな!
モテる男はエロいことも、こんなにエロく言えちゃうんですねぇ。
その言葉がエロいっての。
初夜にも関わらず、相当アレコレやってしまったようで、小野田、放心状態。
「はぁ」って。
こういうしどけない表情も実に上手いです。
もう、小野田、ゲイに宗旨替え確定。
もはや女には戻れないでしょう。
同性愛のセックスって、ズルいですよね。
同性同士なんだから、お互いの気持ちいいところが分かりすぎるほどに分かるわけで、そんなのハマるに決まってるじゃないですか。
まあ、同性愛者だからセックスがハッピーっていうのは、ある種の偏見かもしれませんが、それでもキモチいいっていうのはあると思うなあ。。。
最後の最後で嶋くんと外川も登場!
やっぱ、外川が見たかったー。
やっぱ、外川でしょう!
最後の最後に外川、嶋、小野田、出口でシメるあたり、やっぱりヨネダコウさん、心得てます。読者の読みたいもの、見たいものを。
この作家さんの作品は遠からず全て購入して読むことになるでしょう。。。
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